みずほリース

PROJECT STORY 04

系統用蓄電池
事業開発プロジェクト新分野を最前線で
けん引していく存在に

再生可能エネルギーをより効率よく使っていくために欠かせない「系統用蓄電池」。
日本ではまだまだ馴染みがないものだからこそやる価値がある。
しかし、誰もが経験したことがない中で、実現していくためにはどうすればいいのか。
様々な企業で経験を積んできた3名の会話を通して、
再生可能エネルギー分野ではチャレンジャーの立場であるみずほリースが、フラッグシップとなる挑戦の序章を解き明かす。

PROJECT MEMBER
草場 健太郎
環境エネルギー営業部 次長
2023年 キャリア入社(総合職)
藤原 英哲
環境エネルギー営業部 副部長
2021年 キャリア入社(総合職)
戸塚 淳
環境エネルギー営業部 課長代理
2022年 キャリア入社(総合職)

01

持続可能な社会を
促進させるアセット

太陽光発電を中心とした、再生可能エネルギーのアセット取得を主に行っている環境エネルギー営業部。みずほリースグループとして発電所などを持つだけではなく、そこで生まれた電気の供給、環境価値の提供などを通して顧客のニーズに応えている。「ディベロッパー様と一緒に発電所を建設して発電した電気を需要家へつないだり、木質バイオマスの発電所プロジェクトに投資をしたり、当部署では様々な取組みを行っています。その中で、私たち“新BIZ/開発チーム”が主に携わっているのが、系統用蓄電池事業の立ち上げです。」と、再生可能エネルギー発電所の開発業務に長年従事してきた藤原は話す。日本では2012年からはじまったFIT制度により太陽光や風力発電といった変動性再生可能エネルギー(VRE)が急拡大した一方で、VREは天候や気象条件などによって発電量が大きく変動するため、電力系統の混雑や需給バランスの不均衡などの悪影響も出てきており、VREの出力制御や新規のVRE導入が難しくなるなど、系統制約が日本の再エネ拡大に向けた課題の一つになっている。それら課題の解決策の一つとして期待されているのが系統用蓄電池だ。
日本で取組みがはじまったばかりのこのアセットを、新しい価値を生み出せるチャンスだと捉え、藤原は「みずほリースとしてやるべきこと」と位置付けて力を入れることを決めた。しかし、「今回は、3つのプロジェクトを立ち上げたのですが、令和5年度の東京都の補助金に採択されるかどうかが高いハードルでした。」と、環境価値取引業務などに携わっていた戸塚は当時を振り返る。

02

「任せられる」という安心感を
醸成させるには

東京都から系統用蓄電池に対する補助金がはじめて出されるタイミングだったこともあり、希望者が殺到することが予想された。そこで採択されるためにはどうするか。みずほリースに任せれば安心できると思ってもらえるような計画をつくり込むしかない。「まずは求められている要件をいかにきちんとクリアできるかが、ポイントだったと思います。しかしながら、私たちにとっては『蓄電池とは?』からはじめたほどの未知の領域でしたから、最初は本当に手探りでした。」と、インフラ業界に携わっていた、草場は話す。自分たちで有識者に話を聞いたり、あらゆる資料を読みあさったりするだけでは足りない。このプロジェクトを成功させるためには、頼りがいのあるパートナーの存在が必要不可欠だったのだ。
事業化検討をはじめてから、多数の企業の方々と面談してきた中で出会ったのが東北電力様。東北電力様はかねてより系統用蓄電池分野に興味を持っていただけでなく、電力のトレードやマーケットに関するスペシャリスト。何より、新BIZ/開発チームの想いを汲み取ってくれる真摯な姿勢に対して、プロジェクトに向きあった3名は心強さを感じたという。そして、彼らとのパートナリングにより自信が持てる事業計画書ができあがった。そこには単純に安ければいいという計画ではなく、蓄電池システムについては国内製造の機器を使うなどの工夫が込められ、計画書を提出した後に挙がってきた数多くの質問に対しても、東北電力様と協力をすることで迅速に対応することができた。強力なパートナーを得たことで、3つのプロジェクトすべてで補助金の採択を獲得するという結果へとつながっていったのだ。

03

いい未来に向かうための
真新しい道へ

そして2023年7月に無事採択。みずほリースではじめてとなる蓄電所建設に向けスタートを切った。この結果を受けて、「系統用蓄電池という分野において、いいスタートが切れたのでは」と藤原は笑顔で語る。みずほリースは社名の通り、社会では「リース会社」であるというイメージが強い。だが、それに留まらず、新しい事業の立ち上げからその後の開発まで、ワンストップでできることを再生可能エネルギー分野で示すことができた成果は大きい。また、草場は「この事業は、様々なパートナー会社の協力を得ながら構築し、20年という長期間にわたり事業運営していくものです。この新しいビジネスに能動的に挑戦したことは、みずほリースのこれまでにないスタイルになったのではないかと思います。」と表情に手応えを見せた。一方、戸塚は「みずほリースとして、新分野への積極的な姿勢を社内外にアピールできたことで、別の案件の引き合いにつながっています。さらに社会に新しい影響を与えていくための一歩になったことを考えると、多大な価値になったのではないでしょうか。」と、未来へ期待を膨らませていた。
最前線になることをあきらめない。そんな3名の想いから、みずほリースの環境ビジネスは、最良の形で大きな転換期を迎えることができた。

04

EPILOGUE

再生可能エネルギー事業について、これまではみずほリース社内でも「遅れをとっている」という認識だった。しかし、再生可能エネルギーに魅せられ、リースとはまったく別の業界からキャリア入社をした3名の挑戦は、それを覆すことに。系統用蓄電池は海外では導入が進んでいるが、日本国内ではまだまだはじまったばかり、だからこそ、このプロジェクトに挑戦する際は、誰もがその未来に期待をし、社内は終始背中を押してくれる雰囲気があったという。実際、この分野に対して「教えてほしい」という社外からの問い合わせも増えており、系統用蓄電池分野における業界内のプレゼンスを高められたと感じている。自然から生み出した電力を無駄にしない社会。その先頭をみずほリースは、これからも走り続ける。